「蒙う」
■読めなかった漢字シリーズ
蒙う…おおう
看護したほうが致命的な結果を蒙ってしまった
『フランケンシュタイン』マリー・ウォルストンクラフト・シェリー著宍戸義一訳
「啓蒙活動」のモウに送り仮名が付いています。
蒙という漢字には
- こうむる、受ける(例文だと「こうむ・ってしまった」となるのか)
- おおう、かぶる、着る
- くらい、愚か
- 冒す、乱す
- まじる
- あざむく
- 芽生える
- 易(エキ)の六十四卦(ロクジュウシカ)のひとつ
- 蒙古(モンゴル)の略称
という意味があるそうです(『漢語林』より)。
由来は形声文字。草+モウ(冠部以外の部分)で、モウが「頭巾のように頭部が毛で覆われた豚」を意味し、草を載せて「覆う、被る」という意味になったとか。
「啓蒙」の啓には「ひらく」という意味があり、啓蒙=無知なものの知識をひらく、となります。
上記のように、蒙という字にはあまり良いニュアンスを感じません。マイナスイメージが漂います。
モンゴルを示す「蒙古」という語もマイナスイメージがあり、蔑視するような表現であるといえます。実際、差別になるので使わないで!という声も調べたら出てきました。何気なく使っていた語ですが、受け取る人によっては悪い印象になることもあるのだと、また勉強になりました。