因数分解で疑問だったこと
高校数学で「因数分解」をひたすら計算していたとき思ったことです。
ケース①
こんな場合はスッキリ解答終了です。
ケース②
こうなると「あれ、これそれぞれのカッコの中ってまだ分解できるんじゃね?・・・やっぱり無理か」となる。
そもそも[まだ分解できる/もう分解しきれない]を決定づけるのはどういったところなのでしょうか。ちなみに前者を「可約」、後者を「既約」と呼びます。
ここで「代数学の基本定理」として「複素数係数のn次方程式は複素数の範囲で(重解含めて)n個の解をもつ」とあります。
上記の式は方程式ではなく(=0がついてない!)多項式ですので、定理に合わせて言い換えると、「n個の根をもつ」となる。はず。
つまりn次のxについての多項式であれば、がn個連なった形に因数分解できることを意味します。
ケース①は2次の多項式なので、カッコが2固まり出ています。つまり根が2つで定理道理ですね。
しかしケース②は4次の多項式であるにも関わらず、カッコが2つで終わっています。
ケース②のグラフをグーグル先生に描いてもらいました。とても便利です。
一見x軸に接しているように見えますが、ギリギリ+4だけ浮いています。つまり実数の範囲内で(式)=0となるような根を持ちません。
そこで、実数から範囲を広げて複素数にフィールドを移すと、この多項式も根を見出してくれます。2次方程式の解の公式を使うと
ケース②
となります(合ってるよね…?)、無事に4個の固まりで構成するように分解できました。
つまり何が言いたかったかというと、因数分解は対象とする数の範囲によって答えが変わってくるんだよなあ。と改めて感じました。当たり前のことですが。
この数の範囲(体と呼んでよいのか?)に注目すると色々と面白いよ!というのが『数学ガール』に書いてありました(くそ曖昧紹介)。数学の読み物としてはかなり面白いと思いましたので、みんなも読もうね。